1863年、世界で最初に制定された、FAによる競技規則

グラウンドの最大長は200ヤード (183 m)、最大幅は100ヤード (91 m)、長さと幅は旗によって目印を付けるものとする; ゴールは、ひもや棒が渡されていない、8ヤード(7.3メートル)離れて立てられた2本の直立したポストで定義されるものとする

現在のルールでは国際規格では、105m x 68m(ルール上の幅は90m~120m x 45m~90m)ですので、最初のルールの最大値、183m x 91mだと、倍近い大きさになります。最少サイズは規定されていません。

これだけ、サイズの規定に幅がありますので、最少人数、最大人数が規定されていないのがポイントですね。

ちなみに、ゴールの幅の8ヤード(7.32m)は今も同じです。

陣地を決めるためのコイン投げを行うものとし、試合はコイン投げで負けた側によるグラウンド中央からのプレースキックで開始するものとする; 相手側はキックオフされるまでボールの10ヤード (9.1 m)以内に接近してはならない

ここはほぼ同じ。今はコイントスに勝った選手が攻める方向を選びます。

ゴール(得点)が決まった後、決められた側はキックオフの資格を得るものとし、ゴールが決まるたびに陣地を交換するものとする

得点毎に陣地が変わっていました。

ゴールは、ボールを投げたり、前に落としたり(ノックオン)、手で持って運んだりすることなく、ボールがゴールポストの間あるいはゴールポストの間の空間の上を(どんな高さでも)通過した時に得点となるものとする

後述になりますが、最初のルールではフィールドプレイヤーも手でボールを扱うことが許されていました。しかし、あくまでもゴールするのは手以外によるという大原則は変わりませんね。

ボールがタッチ(タッチラインの外側)にある時、ボールに最初に触れた(タッチした)選手が、ボールがグラウンドを出た境界線上の地点から、境界線から直角の方向に向けてボールを投げるものとし、ボールがグラウンドに触れるまではプレー中(イン・プレー)ではないものとする

スローインの規定。「投げる」とあるだけで、「両手」や「頭上を通し」の規定はありませんね。どうだったのでしょうか?

選手がボールを蹴った時、相手側のゴールラインに近い方に位置している味方チームの選手は全員プレー外(アウト・オブ・プレー)であり、イン・プレーになるまでボールに触れたり、ボールに触れようとするその他の選手をいかなる方法でも妨害してはならない; しかし、ゴールラインの後方からボールがキックオフされた時はどの選手もプレー外ではない

分かりにくいですが、オフサイドの規定。最初はラグビーと同じように(ラグビーのルールはあまり詳しくないのですが)ボールより前でプレイすることは、全てオフサイドでした。

ボールがゴールラインの後方へ行った場合、もしゴールを守る側の選手が初めてボールに触れたならば、そのチームの選手は、ボールが触れられた場所のゴールラインを挟んで反対側の地点からのフリーキックの権利を得るものとする。もしゴールを攻める側の選手が初めてボールに触れたならば、そのチームの選手は、ボールが触れられた場所のゴールラインを挟んで反対側、ゴールラインの外(註: グラウンドの中)15ヤード (14 m)地点からゴールに向けたフリーキックの権利を得るものとし、相手側はフリーキックが行われるまでゴールラインの内(グラウンドの外)にいなければならない

ゴールキック/コーナーキックに関する規定。

もし選手が速やかに踵で地面に印(マーク)をつけフェアキャッチを行ったら、その選手はフリーキックの権利を得るものとする; そのようなキックを行うためにその選手は望むだけ後方へ下がってよく、相手側の選手は彼がキックするまで付けられた印を越えて進んではならない

最初のルールでは、フィールドプレイヤーはフェアキャッチに関してのみ、手の使用が許されていました。すぐに消えるこの規定ですが、なかなか興味深いものがあります。

ボールを持って走ってはならない

フェアキャッチは許されていましたが、ランニングはNGでした。ここがラグビーとの最大の境目ですね。

トリッピング(足を掛けて転ばせる)あるいはハッキング(相手の脛を蹴る)は禁止とし、手を使って敵を押さえたり、押したりしてはならない

反則に関する規定。コンタクトに関して、最初はこれだけでした。

手を使ってボールを投げたり、パスをしたりしてはならない

手を使って、ボールを運んではならないし、投げるのも駄目。

わかる、わかるけど、「GKを除く」がない。つまり最初はGKがいなかった。

いかなる場合でもプレー中は手でグラウンドからボールを拾い上げてはならない

くどい気もしますが、とにかく、手を使っていいのは、フェアキャッチのみ。

ブーツのソール(靴底)あるいはヒール(かかと)に、突き出たくぎ、鉄製の板、あるいはガタパーチャを装着してはならない

靴の安全性に関する規定。用具に関してはこれだけです。